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【用語解説】ころがり軸受・すべり軸受の潤滑/機構・環境別の潤滑

ころがり軸受の潤滑

起動時の摩擦係数が滑り摩擦よりも低い転がり摩擦を利用した「ころがり軸受」は、すべり軸受と比較して組付け性や保守性に優れ、その潤滑には主にグリース※が使用されます。このため、グリース自体の半固体状特性(摩擦面への付着性やシール性)により、オイル潤滑と比較して給油・密封装置が簡便になり、軸受システムの省スペース化にもころがり軸受は有効です。ころがり軸受は転動体により軸の回転と荷重を支えますが、現実には左記のような箇所で摩擦・摩耗の原因となる”すべり”(ころがりを伴う)が発生します。
※ただし、一般に潤滑性を重要視すれば給油・密封装置が煩雑になるものの、グリース潤滑よりもオイル潤滑が優れており、特に高温や高速運転環境では、冷却性や摩擦面への導入性に優れるオイル潤滑が適しています。

すべり軸受の潤滑

「すべり軸受」は速度、荷重、摩擦等の各種使用条件を想定し、綿密に設計・製作・組付け・潤滑されたものであれば、ころがり軸受よりも優れた性能を発揮します。
すべり軸受の潤滑には、主にオイルが使用されますが、煩雑な給油・密封装置も必要となるため、装置の簡素化等の理由でグリース潤滑が採用される場合もあります。
すべり軸受は左記のように、軸の回転により潤滑剤が軸と軸受の間で形成されるくさび状の隙間に連込まれることで油膜圧力を発生(流体潤滑を形成)し、これによって軸の回転と荷重を支えます。