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【用語解説】グリースの組成、増ちょう剤/グリースについて

グリースの組成

グリースは、液体の潤滑油(基油またはベースオイル)に、増ちょう剤と呼ばれる微細な固体を分散して半固体状にした潤滑剤です。また、用途に応じて様々な性能を付与する添加剤を配合します。

グリース = 基油+増ちょう剤+添加剤

増ちょう剤

増ちょう剤は使用温度範囲において不溶な親油性のある固体で、基油中に細かく分散して安定な3次元構造を形成し、基油を半固体状にします。種類は、金属石けん系と非石けん系に大別され、それぞれ更に細分化されます。配合量は基油との親和性、グリースの硬さにより変化しますが、一般的には5〜20質量%程度です。耐熱性、耐水性、せん断安定性など様々な性能を左右します。

左記写真 : 代表的な増ちょう剤であるリチウム石けんの電子顕微鏡写真

 

【代表的な増ちょう剤の特性】◎優れている ○普通 △あまり優れていない

種別 増ちょう剤名 耐熱限界(滴点) 耐熱性 耐水性 せん断安定性
金属石けん基 カルシウム石けん 約90℃
リチウム石けん 約200℃
リチウムコンプレックス石けん 約300℃
カルシウムコンプレックス石けん 約250℃
アルミニウムコンプレックス石けん 約260℃
非石けん基 ウレア 200~300℃
PTFE なし
ベントン なし
特殊無機物 なし