ATF・CVTFの役割には、制御装置を油圧で作動させる【油圧作動油】、流体継手として動力を伝達させる【媒体油】、パーツ摺動部を潤滑させる【潤滑油】の3つがあります。また要求される主な性能としては、各々下記のものがあげられます。
ATFに求められる主な性能 | |
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ATはエンジンからの動力をトルクコンバータを介して受け、油圧ユニットにより、走行状態に合わせたプラネタリ・ギヤユニットの変速を行います。 ●粘度特性:過酷な温度変化に対して、高粘度指数で潤滑性が確保できること。 |
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CVTF(スチールベルト式)に求められる主な性能 | |
CVTはエンジンからの動力をトルクコンバータ等を介して受け、油圧ユニットにより走行状態に合わせたプーリー径(ギヤ比)の無段変速を行います。 ●摩擦特性:動力伝達のために摩擦係数が高く安定していること。 ●ジャダー防止耐久性:ロックアップクラッチ等による不快な振動を防止すること。 ●せん断安定性:過酷なせん断力を受けることによるフルードの粘度低下が少ないこと。 |
【ATF・CVTF定期交換のすすめ】
AT・CVT故障の多くはフルードの劣化で発生します。劣化した状態のまま走行を続けると、大事な機構に損傷を与える恐れがあり、最悪の場合は走行不能や暴走事故の原因につながります。
【フルードの劣化状態】
新品(赤色) | ①劣化油 | ②泡立ち | ③摩耗粉混入油 | ④水分混入油 |
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正常な状態のフルードは、透明な赤色をしています。 | 長時間過酷な条件下で使用。又はオイル交換をしないで長期間使用した状態。 | 消泡効果が薄れた状態。微細な泡により、伝達力の低下を招き、燃費を悪化させる。 | クラッチやギヤ等の摩耗粉・スラッジが混入している状態。 | クーラーライン等から水分が混入した状態。乳化によりフルードが不透明になります。 |
【フルード劣化により発生する症状】
下記の症状が出る前に、早めの交換(定期交換:2年、2万Km以内)をお勧めします。