鋼材を中心に高い寸法精度や優れた仕上り面が得られる冷間鍛造は、近年の環境対策を背景に、エネルギー消費の大きい“熱間鍛造”や多量の材料ロスが発生する“切削加工”など形状変形の大きい加工分野からの移行により、更に厳しい加工を要求されるようになっております。その中で当然使用される潤滑剤の性能においても、更なる工具寿命延長や加工精度向上が求められるのはもちろんのこと、潤滑剤(潤滑処理)自体の環境対策も求められることは言うまでもありません。
ワークの変形抵抗が大きく、加工中の潤滑剤補給も困難な過酷条件下にある冷間鍛造の潤滑には、従来より優れた潤滑性、ワークの表面積拡大に伴う追従性、防錆性を有する“化成処理/石けん被膜”(ボンデライト/ボンダリューベ※1)が多く用いられており、今なお潤滑剤としての性能の優位性に変化はありません。しかし“化成処理+石けん被膜”のワークへの処理には、洗浄工程や反応工程など多くの複雑な工程が必要なこと、排水や廃液処理など多くの課題があるのも事実です。
スミコーはこの課題を解決すべく“化成処理+石けん被膜”と同等以上の性能を有しながら、より少ない工程でワークへの潤滑被膜処理が可能なノンボンデ冷間鍛造用潤滑剤(スミモールドシリーズ)を開発しました。これにより潤滑被膜処理における大幅な工程削減や排水・廃液削減が可能になり、トータルコスト低減と環境負荷物質低減に大きく貢献します。
※1ボンデライト/ボンダリューベはドイツのヘンケル・コマンデイトゲゼルシャフト・アウフ・アクティーンの登録商標です。